やぎ

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生みの親のことは覚えていない、
私は物心ついたときには施設に預けられていた。

だから本当の親のことなんてわからないけど、
親のように想っている人はいる。

「お前は小さい頃から誰よりも元気で、誰よりも明るい子供だったよ」

と私のお父さんはいってくれた。
私といえば、小さい頃は身体が弱くて走り回ってはしょっちゅう倒れて心配ばかりかけた記憶しかない。

「心配もしたが、それ以上に小さかったお前たちが元気に走って笑う姿は、私に元気をくれたんだ」

そう言って笑うお父さんを見て、誰かの笑顔で元気になれるって言うのは本当のみたいだと思った。
私は自然と笑みをこぼした。

2/25/2023, 4:31:59 AM