一筋の光
映画「ショーシャンクの空に」を思い出す。
冤罪で逮捕された主人公が数十年もの間、壁を掘り続け、糞尿だらけ配管をくぐり抜け、ようやく外に出られた時に雨に打たれながら両手を広げる場面が印象的
このシーンに至るまでの道中やラストも素晴らしくて、自分の語彙力では伝えられないけど良い映画です
登場人物の一人、年老いた受刑者の話も印象に残っている。彼は穏やかな性格で、主人公や他の受刑者に対しても親しみやすい存在だった。長い刑期を終えて、ついに釈放される日が訪れるが、彼は出たくないと拒む。刑務所は彼にとって、居場所であり、家のような存在だったのだ。
けれども、老人は外の世界へ無理やり追い出される。
シャバでの暮らしは彼にとって厳しいものだった。
家族もなく、世界の目は冷たく、孤独に苛まれた彼は、ついには自ら命を絶ってしまう。
話は変わって、最近読んだ「精神病棟の青春」という本も面白かった。舞台は精神病棟で、そこに入院した摂食障害の女の子の話。
女の子は入院当初、将来への不安や焦りに押し潰されそうになって泣いてばかりいたが、病院での生活や他の患者さん達との関わりを通じて、少しずつ変化が生まれていく。
彼女が摂食障害になるきっかけは、学校で友だちから体型についてからかわれたり、陰口を囁かれたり、厳格な父親の存在だった。お父さんは「病は気から」という考えの人で、次第に痩せていく女の子に対して甘えだなどと責め続けた。
精神病棟での暮らしは、女の子にとって学校や家よりも自由で、呼吸がしやすい場所だったのだ。
刑務所をや精神病棟といった、傍から見れば過酷に思える環境の中でも、安らぎや希望を見出す人もいる。
むしろ外の世界のほうが、彼らにとっては悪意や偏見に満ちた場所。
生き物はどんな環境下でも、一筋の光を探し求めることが出来るのかもしれない。
11/5/2024, 8:22:00 PM