自分にとっての当たり前を、自らこれだと披露できるならそれは随分と殊勝なことだ。よほどの知見の持ち主か、大海を必要としない幼い蛙か。自ら編んだ縄に縛られ水面近くを綱渡り、沈んだ者を嘲笑っては己の縄を締め付け直す。他人に縄を歩かれて初めて気付く欺瞞の異質さ。どうせなら縄で縛って動けなくして這い上がれないほど深く沈めば、誰に悲鳴を聞かれることも無く、これが『私の当たり前』だと胸を張って生きただろうに。
7/9/2024, 1:14:22 PM