言の葉 音の羽

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暗い夜道。ライトが巻かれた木々が並ぶ道。
大切な人と共に歩く。
まだ明かりは灯されてない。

思えば、ここまで君と勢いで来てしまった。
初めて会ったときに一目惚れした。
ただ君を守るために戦っていた。生きていた。
息をつく暇のない日々。君と会う時間もなかった。
変わっていく環境に慣れようと、周りに追いつくのに必死だった。気がつけば、君を1人にしてしまった。
僕は何のために戦っていたのか。生きているのか。
気がつけば、大切なことを忘れかけていた。
そうだ。僕はいつだって君のために戦っていた。君のためにイマを生きているんだ。
このことを君が思い出させてくれた。

木々に巻かれたライトが段々灯されていく。
美しいイルミネーション。来た甲斐があった。
イルミネーションに夢中になる君。そんな君を見つめる僕。
そんな僕の視線に気づいたのか僕を見つめてくる君が言った。
「約束して。これからはいつでも一緒にいて。」
君は、、、君もそんなふうに思っていてくれていたんだ。僕だけだと、僕の片思いだと思っていた。
「約束する。僕はいつまでも君のそばいるよ。」
約束すると同時に心に誓った。君のそばを離れないと。


そんな2人を暖かく包むイルミネーションの光。
近づいていく2人の顔。
イルミネーションの光が2人の影を作る。
その影はとてもとても美しかった。

12/14/2023, 10:41:54 AM