たーくん。

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授業が終わり、一気に賑やかになる教室。
席を立ち、幼馴染みの席へ向かう。
「ねぇねぇ、今日は一緒に帰ろ?」
「ん?ああ、分かった」
あくびしながら答える幼馴染み。
猫があくびしたみたいな顔で可愛い。
ささやかな約束をして、席へ戻った。

放課後、幼馴染みと一緒に帰ろうとしたけど……担任から用があるから職員室まで来てほしいと言われてしまう。
「ごめん。職員室に行かないといけなくなっちゃったから、先に帰っていいよ」
「ん?ああ……ふあ~~あ」
背伸びしながら、大きなあくびをする幼馴染み。
昨晩、ゲームに熱中し過ぎて夜更かししたらしい。
幼馴染みにバイバイして、職員室へ向かった。

窓の外はもうすっかりオレンジ色。
用はすぐに終わったけど、別の話をしていたら結構時間が経ってしまった。
暗くなる前に早く帰らないと……。
下駄箱に着くと、出口に長い影が伸びていた。
影の持ち主は……幼馴染み。
先に帰っていいよって言ったはずなのに、どうして?
「まだ帰ってなかったの?」
「ん?ああ……あれからまた寝ちゃってな。気がついたら夕方になってて、今から帰るところ。一緒に帰るか?」
幼馴染みはそう言って、わざとらしいあくびをする。
もしかして、私のこと待っててくれたのかな?
だとしたら、すごくうれしい。
幼馴染みの元へ、小走りで向かう。
「うん、一緒に帰ろっ」
外へ出ると、夕陽が私達のことを遠くから見ていた。
地面には、私と幼馴染みの影が並んで伸びている。
うれしくてはしゃぎたい気持ちを抑えながら、幼馴染みと一緒に帰路に着いた。

11/14/2025, 10:58:22 PM