テーマ 星空の下で
「死んだ人って星になるんでしょ」
「そうなんじゃない?」
軽く自分は答えた。
ー 数日後 ー
「自分ってね」
「うん」
「不治の病にかかってるんだって」
びっくりしてスマホを落とした。元気だった親友が不治の病なんて信じたくなかった。そして入院し始めたらしい。
「緑の丘で星を見てみたい」
そうつぶやかれた。ここは病室。そんな要求は満たされないことを本人はわかっていた。
「治ったら行こうね」
でも本人は治す事ができない不治の病にかかっていた。何もできない自分は日々弱ってゆく本人を見て後悔することしかできなかった。
ー ある日 ー
「ねぇ」
また病室に来た自分に君は話しかけた。
「ん?」
「自分が消えても覚えといてくれる?」
笑顔でそう言ってきた。その笑顔には悲しみの感情が混じっていた。
「ずっと覚えているよ」
そう言うと
「....ありがとね」
ー 次の日 ー
「心拍数が低下しています」
病室を見に行こうとしたら君の病室の前で看護師がそう言っていた。急いで病室に入る医者。自分は絶望していた。そして手術室に運ばれていった。
ー 数時間後 ー
「...お亡くなりになられました」
「...そうですか」
そうして家に帰っていった。
家で少しテレビを付けた。
「今日は夜空の星がきれいに見えるでしょう」
そう言っていた。そして足を動かした。
「きれいだ」
きれいな星を緑の丘で見ていた。
「あいつもきれいな星になってるかな」
そう言って家に帰った。
4/6/2024, 7:18:40 AM