恒星さくら

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【イブの夜】

12月24日 女は陰鬱な夜を過ごしていた
時折顔をしかめ苛立っていた
「まだかしら…」
気を紛らわそうとテレビをつけるが、映し出されたものもほとんど目に入らない
「あぁ、もう耐えられない…」

そんな時、玄関の呼び鈴が鳴る
女はドアを開け、立っている男の顔を見ると泣き出しそうになる
「やっと来てくれたのね… 遅いよ」
「ごめん 君が欲しがってるものが見つからなくて」
「ううん、いいのよ」
女は男の手から紙袋を受け取る

「これでいいんだよね?」
不安げな顔で様子を伺う男
「そう これ! 」
女の顔がパッと明るくなった

「あぁ、しんどかった もう歯が痛くて」
女はそう言ってイブと書かれた鎮痛剤の箱を開けた

12/25/2024, 6:04:41 AM