前回投稿分からの続き物。
「ここ」ではないどこか、別の世界に、世界線管理局なる厨二ファンタジー組織がありまして、
そこへ修行に出されておった稲荷子狐が、
知らないオッサンにチキンを食われて大激怒、
というのが前回のおはなし。
子狐の大事な大事なチキンを食ったのが、
管理局にドチャクソな敵意を持っておる組織、
「世界多様性機構」です。
機構は管理局が、ともかく大嫌い!
特に、滅んだ世界からこぼれ落ちた生命、特に知性持つ者たちを、シェルターに収容してしまうのが我慢なりません。
だって、シェルターの中は有限です。閉鎖的です。
どこの世界にも、繋がっていないのです。
そんな場所に生存者を詰め込むなんて!
『生きる意味への冒涜だ!』
機構の構成員と、彼等を支持する活動家の主張は、
つまり知性体を監禁することへの抗議です。
『生きて、考えて、感じて、自分の意志を持つ彼等を、閉鎖的な空間の中に閉じ込めるなんて!』
解放せよ!
故郷を失った滅亡世界の難民たちを、まだ生きている別の世界に移住させて、
生きる意味を新しく提示せよ!
それが、世界多様性機構の言い分なのです。
世界多様性機構の構成員は、管理局のシェルターに閉じ込められた難民たちを救い出すために、
不定期に、ゲリラ的に、管理局に潜り込むのです。
主張の善し悪しはともかく
どんな大義名分を持っていようと
子狐の楽しみにしていたチキンを勝手に食うのは
それはそれで云々なのです。
「おのれ!おのれ!わるいやつ!」
ぎゃあん! ぎゃあん!
コンコン稲荷子狐は、まだまだ修行中の子狐ですが、それでも稲荷狐のハシクレなのです。
「キツネのチキンのうらみ!くらえッ!」
稲荷狐は、祟ります。稲荷狐は執着します。
クンカクンカ、くんくんくん、
子狐は、子狐のチキンを勝手に食べた機構の構成員を、食べ物のうらみと意地で追跡して、
とうとう、見つけ出します。
そして稲荷狐の見習いなりに、それでもチカラはいっちょまえに秘めておりますので、
稲荷狐の見習い秘術、稲荷狐の見習い呪術、フォックスマジックにコンコンふぁいやー、
ともかく子狐の持ち得る、あらゆるチカラでもって、子狐は機構の構成員を攻撃しました!
「おい!なんだこいつ!何故俺達を狙うんだ」
「知らねぇよ」
「ガキのくせに、このやろう!」
機構の構成員は、何度も何度も子狐をはじいて、
吹っ飛ばして、転ばせて、払います。
それでも子狐は何度も何度も、立ち向かいました。
「コンコンふぉっくす、でぃばいんカース、
タベモノノウラミふぁいやぁー!!」
あーあー、あーあー。子狐が何かしている。
難民たちの生きる意味に口出しする機構の構成員に、子狐が突撃している。
管理局で子狐のお世話をしている法務部が、特にその執行課実動班の局員が、
どんちゃん騒ぎを聞きつけて、駆けつけました。
「くそっ、覚えてやがれ!」
子狐には強気に出られる機構の構成員の、その強気もここまで。散り散りになって逃げていきました。
「キツネのうらみ、おもいしったか!」
あっちこっちぶつけて、毛並みがボサボサになってしまった子狐は、
それでも機構の連中に仕返しできて、大満足!
しっかり治療してもらって、毛並みも整えて、美味しいご飯をもらって、
事情聴取等々は、後日に先送りになりましたとさ。
4/28/2026, 7:20:09 AM