『やわらかな光』2023.10.16
夜中にふと目が覚めた。時計を見るとちょうど二時になったところだった。
ベッドに入ったのてっぺんだったから、二時間しか寝ていないことになる。
なんとなく喉の渇きを覚えて、キッチンでミネラルウォーターをコップ一杯飲んだ。
自分のベッドの下に敷かれた布団では、友人が気持ちよさそうに眠っている。さっきまで散々、酒を飲んでいたので少しいびきが大きい。気になるほどではないのだが、お約束とばかりに鼻を軽くつまんでやった。ふがっと変な声を上げるものの、起きそうにない。起きてほしいわけではなかったので、放っておくことにした。
トイレを済ませてベッドに戻る前に、なんとなくベランダに面したカーテンを少しばかり開ける。
まん丸になりかけの月が、優しく地上を照らしていた。
秋の夜空は好きだ。空気が澄んでいて、星や月がよく見える。
都会のネオンとは違ったやわらかさがあり、見ているとホッとするのだ。
しばらく月を眺めていると、ほどよい眠気がやってくる。
酒に酔い月に酔う。なかなかどうして風流だ。
少し開いたカーテンはそのままに、ベッドに戻った。やさしい月の光を浴びながら、そのまま夢の中に沈んでいった。
10/16/2023, 12:17:08 PM