未知亜

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僕にとってこの世界はとても眩しいものだった。
室内の蛍光灯。直射日光。パソコンの画面。車のヘッドライト。
酷い時は頭痛がしたり、勝手に涙が出てきたり。
光過敏と呼ぶのだと知った。

普段使いが許可されると、サングラスはとても便利だった。
光刺激だけでなく、こちらの視線も遮ってくれるのだ。
お陰で周りをじっくり観察できた。
隣のデスクのきみのことも。

画面を真剣に見つめる瞳の綺麗さに、
リズミカルにキーボードを叩く指先に、
こっそりチョコを摘む顔に、
僕の心は日に日に過敏にさせられる。

この世の全てのひかりは、きみから発されているのかもしれない。
明度を落としたはずの視界で、恋の光が眩しくて。

『眩しくて』

8/1/2025, 4:45:41 AM