蓼 つづみ

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クリスマスだからと
何かをしようとしたのは
母だけだった

まな板の上では
手際よい音が鳴り

フライパンの底で
バターが音もなく
崩れてゆく

白く泡立つ前に
粉が振り落とされ
一気には混ぜない

牛乳を注ぐたび
台所の空気が
少しだけ甘くなる

量は量らない
でも失敗しない

あめ色の玉ねぎと
チーズの溶けた中に
気づけばあった あたたかさ

題 遠い日のぬくもり

12/24/2025, 8:27:56 PM