この薄暗いトンネルを通り抜けたら、今生の記憶は消えてしまう。
私は運がよかったのか、勿忘草のペンダントを持っていた。
このペンダントを使えば、大切な人との記憶が残る。
でも、そのうちの1人を選ばなければならない。
誰にしよう...
迷っていると、トンネルの向こうの扉が閉じ始めた。
私は一刻も迷わずに扉に向かって走った。
ペンダントをトンネルに残した。
私は大切な人達を選ぶことなんてできない、
みんな大好きだったから。
また会えるかは、運命に委ねることにした。
大丈夫。
きっとまたいつかどこかで、またみんなに巡り会える...
私は最後の微笑と共に、この世を後にした。
11/14/2022, 3:16:47 AM