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秘密の場所

夢であの場所を見た。
君と僕が初めて会ったあの秘密の場所。
起きて直ぐに僕はそこに向かった。
君にまた、会えるかもしれないと思ったから。
朝方特有の冷たい風も、寝癖でボサボサな頭も気にせず、僕は必死になって走った。
遂に秘密の場所に辿り着けた時、そこには君がいた。
いや、正確には何も無かった。
けれど、君がいたという軌跡があった。
そこからは君の温かみが感じられて、僕は酷く安心した。
君が、僕を今まで待っていたのなら、僕もそうしよう。
君がまた会いに来るまで、僕はずっとここで待っているよ。
なぁに、一人ぼっちじゃないさ。
君がいてくれるからね。

3/8/2025, 10:33:33 PM