光と闇の狭間で
安藤忠雄さんという建築家がいる。表参道ヒルズや、日本各地の美術館をデザインしてきた、日本有数の一級建築士だ。
その作品の中に「光の教会」がある。コンクリート打ちっぱなしの壁に十字にすき間があって、外からの光で十字架に見えるというデザインだ(大阪府茨木市)。なんでも、水、風、光の三部作の一つだという。
表の光の強弱で微妙に形や色、表情を変えるこの十字架は秀逸だと思う。外の光と、教会の建物の中の闇が融合して、荘厳で敬虔な雰囲気
を醸し出す。
光と闇の狭間で神に祈りを下げる気持ちは、さぞかし落ち着いて穏やかなことだろう。淡々と純粋な祈りが捧げられるだろう。
12/3/2024, 3:51:55 AM