「──いい? あなたは言うことを聞いてればいいの。」
ずっとずっと言われ続ける言葉。悲しかった。だってそれは私の意志は別にいらないということだ。嫌と言えばじゃあ他になにかあるのと怒鳴るような声で言われる。
私は弱いから、それが怖くて黙るようになりそして母の
言うことを聞いていれば誰にも迷惑もかける事はないし、苦労もせずに済むと言い聞かせる。勉強もこれからの進路も部活も。そうしていたらいつか何もかもに興味がなくなって壊れてしまうとしても。だってもう何も考えたくないから今日も私は貼り付けた笑顔で答える。
「うん、 わかったよお母さん。」
ねえ、誰か。この逃れられない呪縛から私を助けて。
『逃れられない呪縛』
5/23/2023, 10:27:43 AM