永遠なんて、ないけれど
「永遠が欲しいか?」
ある日就寝する直前の悪魔が僕の目の前に現れた。
理由もわからない僕に悪魔再度問いかける。
永遠が欲しくないのかと…
『え~と、対価とか必要ですよね?なのでお断りします』
よく母ちゃんが美味い話には裏があるから乗るんじゃないよと言ってたのをこの瞬間なぜか思い出した。
「そうか。まぁ永遠なんて、ないけどな」
悪魔はどこか遠い目をしながら呟いた。
どういうことだ?僕が聞き返す前に悪魔は煙のように消えっていった。
僕は寝てないのに僕は夢でも見たのだろうか??
理由もわからないが、とりあえず明日も早いので僕は寝ることした。
もし、永遠が欲しいと言ってしまってたら、僕は一体どうなっていたのだろうか。
答えは分からない。
『おい、聞けよ。ガキに永遠が欲しいかって聞いたら対価必要だろうからって断られたぜ!』
「マジか!?俺も似たような理由で断られたわ。
最近のガキはチョロいから美味い話に食い付くんじゃなかったのかよ?」
『そもそも永遠なんてあるならオレらが欲しいよな。
まぁ自由な永遠だったらな…』
「マジ、それな…社畜辛いわ…」
昨今悪魔たちは永遠が欲しいと言った者を集める。
集めた者たちは悪魔たちの貴重な労働力になるのだ。
永遠を手にした人間は到底人間社会では生きてはいけない。
当然だ。人間社会は歳を重ねない異物は排除される。
永遠を手にした人間は悪魔社会でしか生きてはいけない。
悪魔社会も今や年中人手不足だ。
猫の手、いや人間の手も借りたいほど忙しいのだ。
そして、この悪魔たちも人間を何とかスカウトしないとならない。
しかし、永遠が欲しいと言う人間は割と少ない。
悪魔たちもまた人間と同じように自由な永遠だったら欲しいのだった…
9/28/2025, 3:41:17 PM