3年生になって初めて同じクラスになった君。そして3年生の間ずっと私の隣の席だった。彼から名前を聞かれて褒められてから私たちが親しくなった。神様のちょっとしたいたずらに翻弄されるかのように、私は君に恋をした。でも君は問題があって留年していた一個上の先輩でそれに彼女持ち。
でも、そんなことをお構いなしに君に私はどんどん堕ちていった。朝の教室の挨拶から帰りのSTの後のお別れの挨拶も、一瞬一瞬が私のかけがえのないものになっていった。そんな幸せな日々が過ぎるのはすごくはやかった。
怒涛のように無事に卒業式を前日に控えた。今回の卒業式に無事に先輩は卒業できるようだった。前日は午前中で終わり、早く帰るのもよし、学校にも残っていてもよし。私は後者を選んだ。まだ、この愛おしい日々に別れを告げたくなかった。
教室の君の隣に座れる特等席に座り、机に突っ伏す。今でも思い出せる。例えば、君の授業中の居眠りとか私の視線に気づいて笑いかけてくれる笑顔,,,。過ぎた日を想うと、胸の何処かで小さな痛みを感じる。どんなに好きでも先輩には一個上の彼女がいる。教室の窓の外から君と君の彼女。君は私に向けた笑顔よりも愛おしいような笑顔と眼差しで見ていた。
「,,,大嫌い,,,」
クラスのみんなが友達同士での最後の思い出を作っている間に私は誰にも聞こえないような声で窓の外にいる君に向けて最後に私の気持ちを伝えた。でも、そのときに私の頰に涙がつたっていた。
そして数年経った今、君の結婚式前日。君との過ぎた日を想う。
~過ぎた日を想う~
10/6/2024, 1:46:45 PM