足り過ぎた贅肉

Open App

彼女は哀愁を誘う顔をして佇んで居た。
今まで虐められてきた相手3人が処刑される寸前で居るのだからいろいろ思う事があるのだろう。
処刑台の上で今更許しを乞う3人の顔には焦りや後悔が浮かんでいる。

ちょっと待って。

彼女が声を上げた。
処刑人達が動きを止める。

こんなんじゃ私の気持ちも今までの報いも収まらないわ。処刑して楽になるなんて駄目よ。

さっきまでの哀愁を誘う顔から、別の哀愁漂う顔に変わっていた。

処刑は中止して。地下牢に戻しておいて。

そう言って、ガラスの靴音を響かせながら馬車へ戻っていく。
その背中からは哀愁とは全く異なる雰囲気が漂っていた。
(哀愁を誘う)

シンデレラのオマージュ、原作を参考に

11/4/2024, 11:54:06 AM