『好きな童話』※微百合
「えー、そうだなぁ。わたしは『シンデレラ』が好きかなぁ」
ーーどうして?
「どうしてって、シンデレラストーリーっていうじゃない? 虐げられていた主人公が、王子様に見初められて幸せになる物語。お話として夢があるわよねぇ」
ーー夢がある、ねぇ。やっぱりさ……
「恋愛に限らずサクセスストーリーは読んでいて気持ちいいからね」
ーーサクセスストーリー……。私たちの人生は成功へ向かっていると思う?
「突然変なこと言い出すのね。成功じゃなきゃ今ここにいないわよ。わたしも、あなたも」
ーーでも……。もし、
「あの時、舞踏会に行っていればわたしが王子様に見初められていたとでも言いたいの?」
ーーえぇ。あなたは素敵な子なのだからきっとそうなるはずだった。
「でもねぇ。例えそうだったとして幸せになれる保証なんてないわ。だったらわたしは自分で幸せになる道を選びたかった。あなたを巻き込んだのは申し訳なかったと思っているわ」
ーーそんなこと……どちらにせよ私は舞踏会が終わる前にはあの国を出るつもりだったから。
「そう、ならわたしたちの成功ね。これからきっとわたしたちは幸せになれる、そうでしょ? 偉大なる魔女様?」
ーーえぇ。そうね。
家族に虐げられていた少女の元へ一晩だけ魔法をかけるために現れた魔女は、少女たっての願いで旅に出ることとなった。
これはかの御伽話とは別の物語。
自ら幸せを掴む少女と魔女の物語。
お題【恋物語】
ひとこと) n番煎じかもしれない……。
5/19/2026, 7:56:29 AM