愛する、それ故に
お前はここにいればいい。
誰にも渡さない。
お前は私だけのものだ。
なあ。
小百合。
お前が生まれた時から、ずっとずっと見てきた。
お前は成長するにつれ、色艶が増し、少しづつふくよかになっていく体。
見ているだけで、ゾクゾクとした喜びが込み上げてくる。
あー。
可愛い。
私が生きているうちは、私の全てをおまえにささげよう。愛する、それ故に、お前をこの家から出すつもりはない。
この平和な私たちの世界で楽しく暮らしていけばいい。他は不要だ。
あー可愛い。
可愛いいなぁ。
「ちょっと。小百合がそっち行ったよ。
お父さん。しっかり捕まえていてよ。
もう、1ヶ月もお風呂入ってないから臭さいよ。あ!小百合逃げないの」
「ナアー」
私の小百合が泣いている。
よしよし。
うるさいバカ娘はほっとおけばいいよ。
お前は気品さは、私たけが知っていれはいいことだからな。
風呂もいいさ。なあ。小百合。
小百合をそっと抱き上げる。
イヤ。少したけ臭うか。
このまま風呂場へ直行だ。
あー。
私の小百合。
あのバカ娘め。もう少し優しく洗わないか。小百合の艷やかな毛並みが…。
「ナァ。ナァ。ナァ。」
小百合が泣いているだろ。
早く戻っておいで。
私の可愛い、可愛い、黒猫の小百合。
私だけがお前の可愛いさを知っていればいいよだから。
「小百合〜。本当可愛いねぇ。綺麗になろえね〜。」
どうやらバカ娘にも可愛さが分かるらしい
10/8/2025, 7:16:58 PM