NoName

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そんなものをイチイチ考えながら生きてはいない。
大層な野望を抱いているわけでも、誰かを見返したいと奮闘しているわけでもないのだから、自然とそうなるのだろう。
至って普通の、どこにでもある平凡な日常を過ごしてきたとすら思う。

だって自分という人間は、ああいう華やかなフィクションの中の住人ではないのだから。
どうあっても、全て「なるように」しかならない。
──たとえ、今この瞬間に“救いの手”が割り込んでくれる幻想を願っていようとも。

人が死に近づく間際、最期に観るかもしれないのが走馬灯だという。
それがこんなに無音で、一方的に流れて駆けていくものだと、今しがた知ってしまったし。

これから一秒後、ここは自分の知らない世界。
なにが残るのかなんて想像も考えもつかないな。

【生きる意味】

4/27/2024, 9:39:49 PM