【静かな終わり】はっとして、ぴたりと手を止める。ここにはもう、何もない。先程まで色鮮やかに情景が浮かんできたけれど、終わってみると、存外あっけないものである。ただここには、はらりと紙をめくる音と、ふんわりとした喪失感だけが残っている。『そうか、終わってしまったんだね。』普段の呼吸よりもほんの僅かに大袈裟な息を吐いた。珈琲を一口、本を閉じて、目を瞑る───。
12/29/2025, 1:48:44 PM