3つかぞえて

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 高いところから落ちるときは、案外ゆっくりに見える。このビルの真下にある湖に届くよう大きくジャンプしたから尚更だ。大空でペダルを漕いだ。シャツが膨らんで背中が空に押されたのを感じられた。僕は為すべくしてそうしたのだと実感し、太陽を見た。だんだん遠ざかる光に、つい夢中になってしまう。世界が僕に手を振った。一瞬、風に煽られてふわりと浮いた。僕の世界はもうすぐ終わる。
 いや、0になるだけだった。100として保存されるうんと前にリセットになる。地上0メートルから始まる夢かもしれない。でもマイナスよりマシだ。

2/21/2023, 12:59:55 PM