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…ぼんやりとした視界が晴れてきた…

藁や枝でできた囲いの中に私はいた
その中に、
柔らかい綿のようなものが敷き詰められていて
それに包まれているからか
安堵感のような安心するような
そんなふわふわした気持ちで仰向けに寝ていた。
ぼーっと雲が流れてゆくのを追っていると
隠れていた太陽が顔を出し、
溢れんばかりの日差しが降り注ぐ。
ハッとして体を起こし。下を覗き見れば
わさわさと広がる木々たちで埋め尽くされている。
…どうやらここは、森の中の一番背の高い木…
そのてっぺんにある鳥の巣のようだった。


つづく。

7/2/2024, 11:08:01 PM