独り言を紡ぐどこかの誰か

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【君と見上げる月🌙】

いつも見上げる時には、
月は白くなっていて空は青く澄んでいる。

雲の一部のように、息を潜めて、
太陽の輝きを静-かに見守っている

同じように輝けない嘆きをぐっと押し殺して。

遅く日が落ちる夏も、早く日が落ちる冬も
何も気にせずに、自分のペースで

深く、黒く染まった空と、
何億年の過去の光とともに、顔を出す
朝の真っ白な姿は欠けらも無い

黄金と呼ぶのにふさわしい輝き
思わず見とれてしまう。

手を伸ばしてしまう。

太陽からもらった仮初の輝きなど、
どうせ誰も見ていないだろうと言うように、

空がさらに深くなるにつれて
輝きを増していく

黄金というのもおこがましいくらいに
瞬きも忘れて、魅入ってしまう
まるで、舞を舞っているようだ。

嗚呼、私は貴女のそういう所に惹かれたのだろうな

手を伸ばさずにはいられない

確かな実力も、少し自信の無いところも
それでも、堂々とやり切るところも

全部、狂おしいほどに大好きで、

立てなくなるほど、自分が惨めに見えるんだ。


放課後、部活も終わって誰も居ないような時間、
廊下に響くいつもの音。

まさに月の光と言える音色に、
心まで響いて伸びる旋律。

音を紡ぐ貴女は、美しかった。

普段とは違った姿に目が離せなくて
曲が終わるまで、呼吸も忘れて聴いていた。

曲が終わると、一気に現実に引き戻され、
貴女は普段の姿に戻って、椅子に腰掛ける。
夜が明けた時みたいだ。

そんな姿の貴女と、月が重なって
ちょうど月見をしているから話そうと思ったけど
恥ずかしいから心に留めておいた。

貴女との時間が少しでも長く続くように。



9/14/2025, 12:46:39 PM