「私とあなたじゃ住む世界が違う 第七十四話」
「三次元国軍の方ですよね?助けに来てくれたんですか?」
「まさか。別件で用があって来ただけ。君の事なんて、僕、興味無いし。トリュフみたいにガメつい男じゃないよ」
「ターキー、言い過ぎだろー。ほとんど物言わないロブスターよりはマシだぞ」
「……無口の道化師の何処が悪いんだい?」
「まぁまぁ、二人共喧嘩しない!」
「……キャビアは良い役回りだな」
「ロブスター、今日はやけに話すじゃないか」
「…?」
志那は、三次元軍に目が点になっていました。
「あのー、聞いて良いですか?ターキーさんって本当はスカイさんって事は無いですか?」
「…君も僕をスカイって言うんだな」
ターキーの眼つきが変わりました。
「君は、一般社会の非正規雇用で終わりそうな人間だな。対して才能も無く、容姿だってパッとしない一般人レベルだ。君の人生、不幸で終わりそうだな。腹を割って話せる友人だって居ない。結婚どころか恋人と恋愛する訳でも無く、老後は一人寂しい生活で人生の幕を下ろす。ま、可哀想とでも言っておくよ」
「ひ…ヒドイ…」
志那は、涙目になっていました。
「君が泣いたって、僕はなーんとも思わないけど。僕は君と違って社会的地位のある人間だから。君なんてそこら辺の雑草みたいなモンだし。雑草に魅力なんて感じる?むしろウザいね」
志那は、泣いてしまいました。
「じゃーねー。そこで自分の出来の悪さと不甲斐無さに反省しとけば?」
三次元軍は、地下牢を出ました。
「…オイ、大丈夫か?」
饅頭の一人は、志那に話しかけました。
「拷問されなかっただけ有り難いと思え。三次元国の軍人は拷問好きな奴多いからな」
饅頭達は、志那の周りを取り囲みました。
「それより、聞いてくれよ…広告収入が無くなりそうで困っているんだ。明日からどうやって食ってけば良いんだよー!」
「歌い手の皆様は仕事でも、俺達にしてみればニートの暇つぶしのように世間からは見られてるんだろうな…」
「俺達だって、立派な配信者だ!でも、なかなか再生回数と登録者数伸びないんだよな…楽な生活したいよ…」
饅頭達は、自分達の悩みを次々に言い始めました。
「配信者って、そんなに大変なんだ…」
「もう、苦労の連続だー!企画とか編集とかで、配信者は休日が存在しない!」
「なかなか病院や歯医者に行けなくて、やっとの休みで受診したら手遅れ状態だったなんて事も珍しく無い」
「何か、良く分かんないけど、大変なんだ…」
志那は、どうでも良い話をされて退屈なのか、あくびが出そうなのを堪えていました。
「(私は、社会的地位はまったり達と同じなんだな…)」
志那は、元気が無くなっていました。
2/24/2023, 10:52:27 AM