なかじ~

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『流れ星が流れている間に願い事を三回唱えると、願い事が叶う』
流れ星を掴まえることは出来なかった。見てから言う、それが出来なかった。
すると、大好きなお姉さんが星になってくれた。私が君の願い事を叶えてあげよう、と。
だから、いつも心の中で念じてた。私はその星を信じていた。

それが迷信と気づいたときには、星は既に砕けてしまっていた。
お姉さんはどこか遠くへ行ってしまった。
私が高校生になった途端。

私はただ、お姉さんといたかっただけなのだ。
お姉さんといると、悲しく苦しく泣き叫ぶ心がいつも柔らかに凪いで、安寧を取り戻せた。
話すことが楽しかった。お姉さんにだけは、何でも話せた。つらいこと、嬉しいこと、気になること、くだらないこと。悲しみ。喜び。自責の念。希死念慮。全て、お姉さんの前ではさらけ出せた。
お姉さんが大好きだった。修学旅行ではお互いにお揃いのものを送りあった。他の子には内緒だよ、と言って笑っていた。

未だ私は、お姉さんに会えることを信じて願っている。もう星は砕けてしまったというのに。

だから、月に、星を叱ってもらわなくてはいけない。願い事を叶えてやれと伝えてほしい。
その一心で、私はただ月に祈る。星といつまでも一緒に、という信仰心を月に差し出して。





せんせー。
東京に行ってしまったせんせー。
私は今でも、あなたのことを待っています。
せんせーがこのアプリを使ってるかなんて知らないし、知らない可能性の方がずっとずっと高いけど、それでも私はずっと待っています。
せんせーにもらった『白い恋人』のストラップは、無くすのが怖くて未だ包装すら破れていません。
あなたに会いたいです。
あなたに会えるのなら、私は星にでも月にでも祈ります。
保健室できっと待ってます。

5/26/2024, 10:46:30 AM