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雨の香り、涙の跡

愛していた人や、大切な人のにおいが
魅力的に感じて、ずっと嗅いでいたくなるようなもの。

それなのに、大切な人に嫌悪感を感じた瞬間
今まで大好きだったにおいが、
一瞬にしてうけつけなくなって、とたんに
無理になってしまうような。

素敵だと思っていた行動や、言葉
仕草でさえも蔑むようになってしまうような。

簡単に蛙化現象なんて名前をつけて
正当化しようとするけど

好きだという感情の、いかに軽くて
脆いものか。

傷ついた心から相手の全てを見出すのは
難しいことだと同じように

世を潤す恩恵でさえも、
自分に都合が悪ければ、嫌悪の対象になってしまう。

それが、きっと跡というものか。

6/20/2025, 1:20:09 AM