題 終点
この電車に乗って終点まで行ってしまいたいなぁ
僕は不意にそんなことを思う。
用なんてない。
だけどこのぎゅうぎゅう詰めの満員電車に乗って、家に帰宅して、暗い一人の部屋でお風呂沸かして・・・。
ゴミも捨てなきゃ、掃除もしなきゃ・・・そんな気持ち全て放棄したいんだ。
僕が電車の窓から見上げると、そこには暗い星空に瞬く星々と淡い光の月。
優しい世界は僕の気持ちととことん乖離していて・・・。
僕は家に帰りたくない。
家に帰りたくない。
どこかへ行きたい。
それが終点なら、行ってみたい。
知らない街に降り立って、静かな夜を歩いてみたい。
どうしてもそうしたくて。
僕は最寄りの駅を通り過ぎた。
通り過ぎた時、凄く爽快感を覚えた。
そうだね、しょせん逃避だって分かってるよ。
でもさ、たまには逃げることだって必要だよ。
だっていつもと変わらない日常はなにも変化がないけど、少なくともこの先に待っているのは僕にとって未知なんだから。
8/10/2024, 2:17:56 PM