『そっと包み込んで』
(あーあいつウザ。)
(あのクソ上司...俺が偉くなったら...)
(こいつはもう捨てだな。)
耳を塞いでも尖った言葉は突き抜ける。
これだから人混みは嫌なんだ。
ある日から人の心の声が時々聞こえるようになった。
赤の他人から血の繋がった家族まで...
冗談に聞こえるこんな事を誰かに言える訳もなく...
というか一度信頼している友人に話すと心の中で笑われた。
毎日毎日何処にいても心に尖った言葉が刺さる。
自分に向けて無くても不快になるもんだ。
誰もいない場所なんてないしそんな場所へ行ってもお金が尽きて結局苦しむ羽目になる。
だから助けてなんて言葉は言わない。
向かってくる尖った言葉に心で包み込んであげる。
「苦しかったね。辛いね。」と
自分が言って欲しかった言葉を投げかけて...
語り部シルヴァ
5/23/2025, 10:53:12 AM