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泡になりたい、そう思ってしまったのは、

こんなにも、諄い程に虚しく感じてしまう、

現実世界が悪いのか、はたまた、自分が悪いのか

区別が出来なくなってしまったからだと、

私はそう思ってしまったが、結局は自分が、

それになるためには、人魚になる必要があって、

結ばれない恋をしなければいけないのだ。

それは、不可能なことを知っておきながら、

することに、ちょっとだけ不安だけど、






"それは、それで、面白い人魚のラストに、

なれそうな…、予感がするんだけどね。"






そんな疑問を思いつつ、人魚薬を飲んで、

あの人との思い出の海へと飛び込んだ。

けど、ラストは、違う結末へと、行く羽目になる

そのラストとは………'そんなラストないですよ?'

え?何であなたが居るの…?まさか…、あなたは

'人魚なんですよ、しかも特殊な人魚であって、

ここまで至らせるのに大変でしたけど、これから

二人きりの幸せを育みましょうねぇ、○○さん。'

そう言われた瞬間に、別のストーリーの予感が、

震える身体に感じてしまったのは、間違いなのか

どうかなんて、知り得なかった、知りたくない、

こんな結末…、どうやったら、ハッピーエンドに

なるのかすら、分からずに、二人海に揺られて、

深海へと二人の住まいへと消えていく、

これが本当の、人魚姫の終わり方?

ハッピーエンドなんて、最初からないのにね。

泡となるなんて、本当はおとぎ話のクッションの

言葉として使われただけ、残酷な正体も知らず、

また、一人の少女が囚われの身になることは、

間違いではなかったようだ。トゥルーエンド?

8/5/2025, 10:27:34 AM