落下
落ちる!そう自覚した途端、身体がビクンと跳ねた。
記憶がはっきりしないが、電車の中だった。
ウトウトしていてなったようだ。
本当に落下した気分なのだが、ちゃんと現象の説明があるらしい。
『ジャーキング現象』というらしい。
疲れているらしい。
電車結構混んでいるのに恥ずかしい。何事もなかったような顔でスマホをいじる。
もうすぐ降りる駅だ。寝るなよ。自分。
終点からは嫌だな。高さがあるし、障害物多いし。
ハタと気がついた。終点だ。今日は折り返しはない。
諦めて電車を降りると仲間らしい数人と目が合い、互いに苦笑いをする。
そのうち、お先にというようにホームの端からダイブしていく。バサっと背中から羽が生えて滑空していく。
仕方ない。覚悟を決めて宙へ飛び出す。
荷物なくて良かった。
しかし、羽で通勤は渋滞するから電車使えっていうのは退化を求められているのだろか?ジャーキングの方が怖いのに。
6/19/2024, 10:24:26 AM