『怖がり』
僕は怖がり。
君はいつも「そんなに心配しなくたって大丈夫」と笑って、そんな僕を励ましてくれる。
すやすやと、身じろぎ一つせずに眠る君を見れば、僕は本当に君が息をしているのか心配になって、そっと君の体に触れた。
帰りの遅い時には、君がどこかで事故にでもあってやしないかと、気が気じゃなかった。
どこかが痛むと聞けば、大きな病気ではないだろうかと心配して、大袈裟だと笑い飛ばされた。
僕は怖がりだ。
ねぇ、ちょっと転んだだけだよね。こんな、ちょっと体を小突いただけで。
きっと怖がりの僕を揶揄っているんだ、「びっくりした?」って、今から起き上がって笑うんだよね。
今に起きる、今に起きる、今に起きる。
そうに決まっている。
怖がりの僕は、君に触れる事ができない。
3/16/2023, 1:38:03 PM