嵐は桜 春の宵 ぼくときみの影に花びらが散る
夏の夕暮れ ひとときの気だるさ 汗を拭うきみの指
静謐の秋 ベッドの上に永遠とふり積もる埃が
キラキラと舞う
そして冬 眠るようにきみは死んだ
きみはぼくが死ぬのを待っている
誰もいないキッチンの 食器棚の中の
コーヒーカップみたいに 静かに 身動き一つせずに
死は過程に過ぎないと きみは言った
季節が巡るのと同じことなのだと
だからどこに行っても わたしをさがして
最期にきみは ぼくにそう言った
ぼくはきっときみを見つけられるはずだ
ぼくはずっとさがし続ける
季節が巡り続けたとしても
10/4/2024, 6:03:58 AM