「好きなんだ。」
「えっ…え、えっと…あっ、ありがとう。」
男友達にそう言われたときは嬉しかった。
けど、恋愛対象で見ていなかった男友達から
好きなんて言われたらなんて返せばいいのか
分からなくて、曖昧な返し方になってしまった。
好きな人がいると幸せ。
見かけただけで、すごく嬉しい。
でも今、恋って怖いんだなと思った。
恋が叶うと、自分はもちろん
周りもいろんな変化が起きる。
恋愛漫画で見る「三角関係」というものも
あるのかもしれない。
恋は叶えばいいんじゃなくて、
叶った先が大変で、大事なのかなと思う。
全部はっきりさせて、好きな人がいることも
打ち明けることにした。
男友達を家に呼んだ。
カランカラン─
風鈴が透き通った音を鳴らす。
まだかなと思いながら壁掛け時計を見ていると
ピンポーンとインターホンが鳴るのが聞こえた。
来たっ!と椅子から立ち上がって
「はーい、開けていいよーっ」
玄関に向かいながら言う。
ガチャ─
「お邪魔しまーす」
ナイキのスニーカーを履いて来た男友達─
いつもより少し大人っぽく見える。
休日に会うのは初めてだからかもしない。
「いらっしゃい!こっちっ。」
そう言ってリビングに案内する。
「座ってて。今麦茶持ってくるから」
「はいっ」
コトンと2つのコップをテーブルに置く。
「ありがとう」
「あのねっ、一昨日の話なんだけど..」
ごくりと唾を飲む。
「き、気持ちは嬉しかったよ、凄く。
でもっ、実は私...好きな人がいて..
だから..その..気持ちに答えられないの..ごめんね。
─このままの関係でいてくれないかなっ..」
ぎゅっと目をつぶって言う。
「..分かった。両思いになれるように頑張れよ」
男友達は少し辛そうに言うと立ち上がった。
「え、帰るのっ?」
座りながら立っている男友達を見上げる。
男友達は、ああと言って玄関に向かう。
その姿を見て慌てて立ち上がって後を追う。
「ちょ、ちょっと待ってっ!」
「今日は色々..ごめん。
でも、最後まで話聞いてくれてありがとう。
──またね」
小さく手を振ると男友達は無言で手を振り返した。
これは「 失恋と小さな恋物語」である。
「恋物語」
好きとか打つの結構恥ずかったです💦
恋愛漫画アプリとか読むと1人でキャーキャー
言ってるんですけど(笑)書く&打つ人も
恥ずかしいんだな..って思いました。
5/19/2024, 11:06:07 AM