『海へ』
母なる海とは言いますが、残念怨念もう勘弁、ぼくには母親の記憶がありません。
もし母が浮気をしていなければ、父と離婚しなければ、仮定の話をしたならば。
ぼくはきっと母に見守られながら、浮き輪に乗って揺られるのでしょう。
揺られた後は三人でパラソルの下、おにぎりなんか頬張るのでしょう。
頬張った後は、なんでしょう。
あなたの顔も、ぼくは知らない。
あなたはそう、ぼくを捨てた──
つもりは勿論ないのでしょう。
母といま海に行くとしたら、ぼくは思わずあなたを。
母なる海とか、なんとか、言いますから。
海へおかえりなさい。おかあさん (笑)
8/23/2024, 1:33:56 PM