「なんでおれとお前が手を繋がないといけない訳??」
前をさくさくと歩く彼は不満を口にした。
暗闇の森のなかふたり仲良く手を繋いで散歩中、なんてことはなく誰が言い出したか肝試しをしようということになって2人1組になった彼と僕。
暗闇が怖いと、お化けが怖いと言って手を繋いで貰ってると言うのが今の現状。
「ほんとお化けは無理なんだって!!」
「だったら参加なんかしなければいいだろう」
文句は言うけどしっかり手を繋いで歩いてくれる彼の優しさが僕は好きだ。
「そうなんだけど君が行くなら僕も行かなきゃって思って」
「何だそれ」
だって僕は君がほんとは怖がりなのを知っている。
そしてそれを隠したいことも。
彼は後ろを振り向かず一心不乱に前を目指してしっかりと僕の手を握って歩いていく。
「絶対に置いていかないでよ。手を離さないでね」
「分かってるってうるさいな」
本当は怖いのに僕のために頑張ってくれる君。
怖さを我慢するように力強く僕の手を握りしめているそれをしっかり握り返して微笑む。
僕はね、別にお化けなんて全然怖くないんだ。
(怖がり)
3/17/2026, 10:17:05 AM