茜寧

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1年前の夏、彼は死んだ。

斜陽が差し込み、多くの人が交ざり合う今日まで、私の中の彼は生きていた。

知らせは突然だった。

「あの子ね、亡くなっちゃった。」

詳しい理由はわからないが、自殺だったらしい。

彼の親友が言うのだ。間違いないだろう。

年末、彼のお墓参りに行くことになった。

汗の滲むような日差しが眠ったと思えば、人々の心の隙にまで土足で入ってくるような冷たさが襲う。

明日を終わらせた君のことを知らずに過ごしてきた1年は、彼にとってどれほど孤独だっただろう。

そして、明日の来ない君のことを思う人が、君の選択の故に増えたことを、君はどう思うのだろう。

私は知らない。君の選択の訳を。

でもこれで分かるだろう。もう君はひとりぼっちじゃない。

3/21/2023, 12:26:20 PM