蒼星 創

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「思い出の箱が開かないんだ」
 困り果てて友人に相談する。
「なんの箱?」
「思い出が詰まった記憶の箱さ。箱の鍵が見つからないんだ」
 友人は笑った。
「それじゃ探しに行こうか」

 友人と鍵を落とした場所かもしれない場所を探し始めた。
 学校、お互いの家、よく遊んでた公園。
 
 どこにも落ちてない。

 思わず泣きそうになると友人が困ったような笑顔で言った。
「もしかしたら……」
 友人が、胸に手を当てると鍵が現れる。
 記憶の箱がガチャリと開いた。

 中には昔書いた未来への手紙が入っていた。

『友情は永遠に、鍵は心のなかにある』

7/7/2023, 5:25:30 AM