深淵のゆめ/星が溢れる
宇宙の星屑を食べ続けていれば、君のようなやつでも光り輝く美しい星になることができるさ。
という星雲の言葉が嘘だと気付くのに、数億年かかった。
私はそれでも星屑を飲み続けた。
数億年もこの狂った行いを続けていて、今更やめることなどできなかった!
私が美しい星になり、煌めきを運ぶことなど、命尽きるまで無いというのに。
本当に愚かな穴だった。
ぽっかんと空いた底なしの闇の縁から、かつて煌々と燃えていた、星だったものの欠片がぽろぽろと溢れている。
この宇宙のなかで、私は一等醜い。
ああどうか、私を見つけたら笑ってほしい。
決して叶うことの無い夢に縋り続け、終わりを貪る、この滑稽な穴のことを。
3/15/2024, 2:50:06 PM