「突然の君の訪問」
君と出逢ったのは、春だった。
満開の桜よりも綺麗な笑顔の君。
一目で恋に落ちた。
あれから、毎日君を見つめている。
日毎にどんどん君を好きになる。
出逢った頃と比べると、君との距離も近づいてきている。
いつか、君が家に来てくれたら嬉しいな。
もしそんな事になったら、僕は朝から掃除をして。
前の日からスイーツや美味しいコーヒーを用意して。
洋服も、気張り過ぎない程度にお洒落にして。
匂いも大丈夫かな?
君の写真は恥ずかしいから隠しておこう。
そんな楽しい妄想をしながら、1日を過ごす。
君の好きな音楽をかけて。
突然玄関のベルが鳴る。
ドアスコープ越しに君が見える‼
どうしよう?何だろう?どうすればいい?
慌てふためく僕。
サッと髪の毛をセットして、深呼吸してドアを開ける。
「すみません、隣の部屋の者ですが、音が五月蝿いのでボリュームを下げてもらえます?」
僕を知らない君の、不機嫌な声。
一方的な僕の想い人。
8/28/2024, 1:24:46 PM