『凍てつく鏡』
最低気温が、氷点下にまで下がることが増えた。
朝、道のくぼみに僅かに溜まった水が薄く張った氷になっているのを、パリパリと踏んで通る。
子供の頃はそれが楽しかったが、大人になると滑らないか転ばないかと、恐々渡るようになった。
たまに水の量が少し多めで、厚い氷が出来ていることがある。
みんなが通ったことで表面が磨かれ、鏡のようになっているものも。
周りに人がいない時、そっとしゃがんで覗き込む。
クリアには見えないけれど、薄ぼんやりと影が映る。
昔の銅鏡とかも、こんな感じだったのかなぁ。
12/27/2025, 10:11:35 AM