マカロニサラダの妖精

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【踊りませんか?】

恋とは、愛とは、そんな抽象的な事はどうでもいい

恋も愛も見えないし、皆が同じ気持ちで定義なのか

証明しようがないのに同じだと勘違いしてしまう

彼はそっと私の手を取り、

「私と踊りませんか?」

と言い、端正な顔でこちらを見ている

恋に関して冷静で、盲目的では無いつもりなのに

彼を前にすると盲目的なのかもしれないと考える

私は彼の手を握り返し、彼に身を任せた

それは、楽しくて熱くて夢のような時間だった

私は勇気を出して彼をそっと抱き締めた

彼にも抱き締めて欲しかったし夢を見せて欲しかった

だが、彼は私を抱き締めはしなかった

端正な顔を歪め、冷たい目でこちらを見ていた

彼は私に恋を囁き、愛を誓って共に踊ってくれた

だから彼の私に対する恋を、愛を、私と同じ物だと

勘違いし、自分と同じ愛を求めていた

彼はただ恋や愛に踊るような楽しさを求めていた

全てを受け入れて抱き締め合う愛というものを

彼は求めていなかったのだ

そうなると、誰かと分かり合うのは

本来は不可能なのではないだろうか

自分そのままを受け入れられる関係なんて

どちらかを曲げないと生まれないのではないだろうか

だけど本当は誰かに自分の全てを愛して欲しいな


10/4/2023, 11:40:39 AM