好きじゃないのに
(実話)
私には仲のいい友達がいた
それは小学生の頃だったもので
異性だからと気にすることはなかった
ある日、突然日常は崩れた
それは卒業の数日前の出来事だった
いつも通り親友と帰ろうと一緒に坂道を降りていた頃、
その異性の友達が寄ってきて私の親友に耳打ちした
何か秘密ごとかな?と離れた場所で
呑気に待っていること数秒
親友は私に手を振り「またね」とだけ言って先に行ってしまった
それも異性の友達を残したまま。
一緒に帰るつもりだったから追いかけようとすると
異性の友達に後ろから声をかけられた
正直何を言われたかあまり覚えていない
だが、はっきり今でも覚えてるのは
「好きです付き合ってください」と言われたこと
早口だったし投げやりだったのが伝わった
卒業前に告白…なんてシチュエーションを
自分が体験する側になると思わなかった
私は恋愛に興味がなく、彼にも興味がなかった
恋愛感情を持てるような相手ではなかった
すぐに「ごめん無理。」
と冷たく言い放ってしまった
今となれば他の言い回しがあっただろうと悔やんでいる
彼は「ですよねー」とだけ呟きそそくさと帰っていった
色々思い、一刻も早くこの場を去りたかったのだろう
少し混乱していたが坂下を見て親友と目があった
私はいつも通りに親友に話しかけたがどこかぎこちない
恐らく、彼に
「〇〇ちゃんに告白をしたいから離れて欲しい」
とかなんとか言われたのではないだろうか
少し不安げに見つめられたが彼女は追求してこなかった
やっぱり良い子だなあと。
家に帰宅した後の話なのだが、
少し前に知り合いから
「〇〇ちゃんのこと好きな人いるんだって!」
と言われていたことを思いだした
私のことを好きだと思っている異性はあの友達だけだろうと、そうじゃなければただの噂だと。
的中しているとは思っていなかった。
いや、薄々彼からの好意を感じていたかも知れない。
でも信じたくなかった。
卒業までは彼と一切話はしなかった
卒業の日に寄せ書きのタイミングがあり、幼い頃から仲良くしてもらっていた数少ない異性の友達や優しい女友達から一言ずつもらっていっていた時。
告白してきたあの友達が話しかけてきた
いつも通り、何ごともなかったように
私だけが引きずっているんだとわかった
無責任なものだ、
こっちは罪悪感でいっぱいだというのに。
何故だか嫌いになりそうだった
……悪いことをされたわけじゃなかったが…
中学に上がり別々の進路に行った時
学校の演奏会に彼がいると気づいた時目を逸らしてしまった。
まだ好かれていたらどうしようと
不安というより恐怖に近い
好かれてたら何かあるわけでもないが無性に怯えていた
好きじゃないのに
私の頭の中の恐怖は彼に支配されていくばかりだ
3/25/2026, 2:49:51 PM