見つめられると
嬉しい。
私は数年前から金魚を飼っている。
2年前の春に産卵した雌はその年の冬に体調を崩して亡くなってしまったけれど、雄は今ものんびり暮らしている。
小さな頃から仲が良かった雌がいなくなってしばらくはあまり動かず寂しそうにしていたので、元気になってきて良かった。
水槽は玄関にあって、餌が欲しくなるとこちらを見ながら水面に口を出してぱくぱくすることでアピールしてくる。
最近その応用で水面で音を出す技術を身につけた。
よく出勤前の父親にねだって餌をもらっている。
金魚はいつでも餌を欲しがっているように思えるかもしれないけれど、意外とそうでもない。
空腹ではなくてもこちらを見てヒレを振ってかまってくれる時もあれば、
指をちらちらさせても素っ気なくふいっとそっぽを向かれてしまう時もある。
金魚にも気分があるので常にかまって欲しいとは思わないけれど雌はもう少しかまってくれた記憶があるので、この子は少しドライなのかもしれない。
そしてその雄の他に亡くなった雌との子どもが1匹いる。
兄弟はもっとたくさんいたけれど、病気などでその子だけになってしまった。
その子は父親よりもツンデレで、滅多にこちらを見ない。
餌を与えても、暫く経ってから野生の生き物のような素早い動きで水面に上がってきてぱくっとするとまたすぐに下に潜るを繰り返す。
なのでその分、数ヶ月振りにこちらを見て、寄ってきてくれた時には言葉にできないほどの感動と喜びを感じることができる。
和金は10年以上生きるので、できるだけ長生きしてもらえるように大事に育てようと思う。
3/29/2023, 9:56:22 AM