天から、雫が落ちてくる。
まだ雨足は弱く…傘を差すのを、ちと…躊躇った。
土は多くの水を含み、道が泥々していた。
卸したての靴には、多くの水気を含んだ…砂利と泥がへばり付く。
高値を叩いた靴に傷が付き、汚れると思うと…何気に落ち込んだ。
水は、大地を潤し…豊かにする。
大地が豊かに成れば、戦は起きにくい。
戦が起きなければ、その地の住人は…故郷を追われない。
土地を追われ無ければ、物盗りに成らずとも…生活することが出来る。
物盗りが減れば、その地は…治安が良く為る。
治安が良くなれば、その地は経済的に豊かになる。
経済的に豊かに成れば、その地は発展する。
だから、少し靴や裾が泥で汚れたぐらいで、機嫌を悪くしたくないものだ。
まあ、それは…もう少し先のことに成りそうだ。
どうやら、和多志が大人になれるのは、もう少し先らしい。
いつかは、ちょっとした災難も笑い飛ばせたらなと思った。
9/27/2023, 1:06:12 PM