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「またなー!」
「おう、また明日」
お前、そう言ったじゃないか。

「俺さ!来月告ろうと思うんよね!」
「ホワイトデーだから?」
「そ!大田さん俺に絶対気ないけど、当たって砕けろっしょ!」
「俺がお前なら告らないなぁそれ笑」
「わかんないじゃん!やってみなきゃ!」
お前、そう言ってたじゃん。

「俺たちさ!大人になっても遊ぼうな!」
「何だ急に、改まって」
「俺、お前のこと大好きだからさ!」
「…きもいな笑」
「ホントの事だもん仕方ねーじゃん!」
「お前のそういうとこ嫌いじゃないけどね笑」
「だろ!!」
俺、なんでああ言ったんだろう

お前に会えなくなるって知ってたら
俺がお前の代わりになれないってわかってたら
俺が、分かってたなら…
「また明日」なんて、言わなかった。
「そういえばさ」って
大田さんお前のこと好きかもだってさとか
明日抜き打ちの小テストだってさとか
お前、このまま帰ったら、とか

あの時本当は俺もそう思ってた、とか。



【また明日】



あとがき


事故で亡くなってしまったあいつに、伝えられなかったこと、伝えなきゃいけなかったこと、それをあの時伝えていたらお前はもしかしたら。
と後悔してしまっている男の子のお話。
そんなもしもを考えたって何も変わらない
誰のためにもならないと分かっていても、自分を責めてしまっていること、ありませんか?
あなたがもしこれを読んで、主人公の彼に「それはきっと違うよ」と思うなら、
あなたのその後悔も、もしかしたら「きっと違う」「そうじゃない」かも知れません。
そんなに自分を責めないで、あなたのその後悔に対する向き合い方を変えて見てほしいななんて。


5/23/2024, 10:04:31 AM