心躍る楽しい予定があると、あと何日…♪とワクワクしながら眺めては、すでに付いていた◯印にさらに花びらを書き足したりしてみる
月が終わってその頁をめくる時も躊躇はない
ところが、大切な大切な人の命の期限がそれを何枚かめくった先にあると、月が終わってもめくって新しい月を迎えることが辛くてたまらない
出来ればその日が訪れないで…とありもしない架空の日付をつけ足してみたくなる
宣告された日が過ぎ、胸を撫で下ろすのも束の間、それからは毎日が宣告の日のようなもので、1日が無事に終わることの重みは言葉には代えられないほどだ
やがて、涙を流しながらめくった頁が数枚たまった頃、その日は訪れる
それ以降、そのカレンダーの頁はめくられることもなく未だに壁にかかったままだ
絶望と希望の涙で重くなったそれは、もうカレンダーの機能はとうの昔に終えてしまっている
こうしている今も、あちらこちらで色々な人々の色々な思いを預かりながら日々の暮らしを見つめている
新しくめくられた今日はどんな1日になるのだろうか…
『カレンダー』
9/12/2024, 2:25:39 AM