月龍

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「終わりにしようぜ、この関係」

今日の夜、セフレの彼にそう伝えられた。いつもの彼には見られない、苦しそうな気まずそうな表情。おれは何も返せず黙ってしまう。

「こんな毎日ヤるだけの関係なんて、テメェももう飽きただろ。潮時かと思ってな」

そんなことないだろ、という言葉は心の中で留まってしまう。おれは決してそう思ってない、そう伝えたいのに。何故か言葉が出ない。
ついにベッドから降りようとしだす。堪えきれなくなり、反動のまま彼の腕を掴んだ。
驚いた彼をそのまま押し倒し、その上におれは倒れ込んだ。

「……やだ、やだ!お前と離れるのだけはやだ!まだずっと一緒にいたい……ねぇ、おれお前が好きなんだよ。セフレの関係はもうおれも飽きた、だからさ、おれと付き合ってみない?」

涙を流しながらそう発す。突然の出来事に彼は驚いた表情のまま固まっている。おずおずとおれの方に手を出すと、数分の間、ずっと頭を撫でられた。

7/16/2024, 4:52:56 AM