récit

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学校の廊下で彼女が近づいてきて一枚の紙片を僕に差し出した。
「成瀬君、私の名刺よ」と彼女は笑顔で言って立ち去っていった。
手に取った名刺には"うさぎの後ろ足"という文字とインスタのQRコードだけが印刷されている。
入学したばかりで僕はまだ彼女の名前を知らなかった。
でも彼女は僕の名前を知っている。
僕は顔が熱くなるのを感じた。
何気ないふりをしようにも身体のバランスを失ってるような感覚だった。
右手と右足が同時に前に出る歩き方になりそうだった。

題「何気ないふり」

3/30/2024, 12:05:48 PM